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心のプリズム

2006/12/12改訂
2006/05/71初稿

やっと発見したんですが.........

プリズム 表紙

元々の記事は朝日新聞に連載されていたコラムのようです。ですから、記事として新聞紙上に載ったのは1971年でその翌年の1972年に単行本として出版されたもののようですね。

※クリックすると写真が拡大します。

私はたまたま古本屋で発見、初版本を持っていました。残念なのですがその初版本はある人物に貸したまま帰ってこない(要するに持ち逃げ)されたので、ずっと探していました。

私の手元には一部コピーのみが残されています。

最近になって九州の書店から通販で購入しました。こちらはすでに18版も増刷を重ねた後ですね(笑)。買ってみて驚いたのですが、中身がちょっと違っています。

18版も増刷しているのですから、当時としては大ヒット作品でしょう。3ヶ月に一度、刷ったとしても4年はかかります。

私が買い直した本でも1975年(昭和50年)ですから、今から31年前の物なんですよ。初版本(や新聞記事)になるとそこから遡って4年ですから35年前になります。

更に記事に引用されている書籍や知識はもっと前になりますから、40年近く前の基礎研究を元に時期や内容が書かれたと思って間違いないと思います。

※重版を重ねる過程で編集しているようです。私の読んだサブリミナルに関する記述や紫外線ライトで投影を行った実験については昭和50年度版には記載されていません。

ただし、重版を重ねて改定を行ったものでも、今の時代ならば出版差し止めになりそうな凄い内容もまだ、載っていますね(笑)。当時はお咎め無しでも今なら差別用語になりそうな表現も連発です。そこに凄い時代格差を感じます。

当時は新興宗教として新聞に描かれた(この本に載っている)団体も、40年後の今はすっかり老舗です。

なかなか興味深い

裏表紙

いや、久しぶりに読んでみると面白いですね。

確かに初版本とかから削られた記述もありますし、一部内容が異なっていたり真偽の怪しい部分もあります。その部分を割り引いてもこの本は読むだけの価値があります。

脳内物質の分泌の話とか、中継物質(GABA ギャバ)に関する記述もすでにありますね。ギャバとは最近になって玄米だとかチョコに含まれると話題になったアレです。

正式名称はガンマ・アミノ酪酸、その40年近く前の時点で「頭が良くなるのではないか?」と考えて製剤化したものの飲んでも効果がないらしい、とわかって取りやめられたとの記述もありますね(笑)。

過去に否定された物質とか薬効成分を、今ごろになって必死に煽っている企業もある。ということは歴史は繰り返しているだけでしょうか?

当時の本(昭和40年代から50年前後)の資料とか書籍を読んで面白いのは分類とか索引です。巻末についている索引が異様な分厚さがある。

○○という単語がどこにページに使われているかが、すぐにわかります。この「心のプリズム」も索引が分厚く、それこそしつこいくらいに載っています。

面白いのは「催眠 催眠状態 催眠術」という単語は索引だけでも9ヶ所も出て来ます。「暗示」が5ヶ所。自己暗示、潜在意識など催眠に用いられる用語も数多く出て来ます。

今になって読み返すと内容には当時、明らかに政治的な意図を持って書かれたんだろうな、と思う記述もあります。今となっては怪しい記述とか中身の伴っていない部分、事実と異なる部分もあります。が、今に引き継がれている技術や知識、原型になったものもある。

この本は元々、新聞記事だったものでしょう。当時の新聞記事とかコラムの中に催眠だとか心理学の用語が当たり前のように使われてきたことに驚きを覚えます。

歴史の証明というかこれまでの日本の縮図をみるようですね。

当時の予想とか予測で、当たったというか近いものもありますし、まったくの杞憂に終わったものもあります。

事の真偽は別として

初期の頃にあった、ロートエキスとかベラドンナエキス(今はゴルフ場になっていますが国が作らせていました)ノルマンディ上陸作戦に使われた乗物酔の薬(スコポラミン)などの記述も、ばっさり削除されています。

面白いですね。色々な思惑が絡んで改定が重ねられているように思う。配慮ともとれますし、抗議を受けて変えたのかもしれませんし、そこは当事者じゃないとわからない。

この頃の朝日新聞は、完全に「赤くは無かった」ように思います(笑)。

骨のある記事とかかなり検証した上で載せた記述もある。面白いので当時の記事をウエッブ版の朝日新聞で検索してみると、相反するものもあります。

価値観というか感覚が違う人もいて、上役の言いなりになって飛ばし記事ばかり書いていた記者とは違う雰囲気もあります。

この本にも引用とか参考書籍についても明確に書かれていて追跡調査可能なものもある。研究者の名前も具体的に示していますし、実験データ、グラフとか写真も複数を掲載するようにして文章に信憑性を増す努力を重ねています。

考えてみると、今の新聞記事はどうしてこんなにダメになったんですかね?

当時の文面を見る限り、当時の朝日は心理戦に相当強かったんだと思います。

この本に心理学に関する記述は相当にあります。群衆心理を巧みに煽るものや民衆が興味を持つ最先端技術とか生活に密着する記述もある。バーゲンとか割引で商品に群がる人の心理状況を解説したり、サブリミナルに関する記述までありますよ。

十分に現代で通用するものもある。

※初期の記述にあった当時の白家電、売れ筋商品である冷蔵庫に「ナショナルのマークを紫外線で投影する」ことで売り上げが飛躍的に伸びたとの記述、学者が行った実験内容は見事にカットされています

参考文献も多岐に渡っていますし引用も豊富です。35年前の本とは思えないくらいです。

特定の国家のみを持ち上げる記述にならないよう、アメリカとソビエトとの記述は交互に用いるなどバランスをとっています。一般人にも理解しやすいように専門家の意見と実験写真を添付するなどの工夫も随所に見られます。

最終的な「落とし所」というか持って行きたい方向性や結論は同じだったのかもしれないですが、今どきの記者の書く内容と比べると完成度が違い過ぎますね(笑)。巧みだ。

洗脳を解く方法について、で私は「当時の新聞記者にはこんなに硬派な人たちがおり、独自できちんと取材をしていたのかと思うと感動します」と書きましたが、内容をよく読めばわかります。

私は別にサヨク系でも朝日信者でも何でもありません。むしろアンチ(笑)。

この当時の新聞記者は(朝日以外も含めて)相当に文章の組立や構成力、表現力に長けてたんでしょうね。

考えてみれば当たり前ですか?テレビなどにマスメディアの中心が移動する前の花形産業ですから。戦後の動乱期から高度経済成長に入って行く最中で、もっとも素晴らしい時代であり人材も豊富、研究費や取材費も使えた時代だったのかもしれないですね。

当時は大変だったと思いますよ。今のように携帯電話もメールもデータベースもない時代ですからね。取材相手を探すだけでも一苦労でしょう。

この本には日本ばかりかアメリカとかソビエトの科学者の記事や取材も載っています。取材先は当時の最先端分野でしょう。

時代背景に触れておくと、日本はまだ経済大国ではなかったですからね。通信や飛行機の技術も完全ではなかった。現地に行くにも長時間かかりますし、パスポートやビザの申請も難しかったでしょう。

ファックスの普及は1970年代の後半です。テレックスの時代でしょうね(笑)。よく取材を受けてくれたと思う。

当時であれば、全ては自分の勘と相手に取材を受けてもらえるコネとか、出向いて行って相手にしてもらえるだけのネットワークを持っているかにかかっていたと思います。

この記事の「自分達の主張とか方向性に」信憑性を増そうとして足で稼ぎ、当時の学者とか医者とか研究者から丁寧に話題を拾った手法を「硬派」であり、根性があると思い、私は褒めています。

昔の資料や文献は面白いですよ

以前のひとりごとにも書いています(会員ページに移動中)が、私はサヨク活動運動には関与しません。

確かに障害者の支援団体や施設に取材(ビデオ映像の仕事)に行ったり、兄がソフトウエアやホームページ制作の指導(ボランティア)に行ったり、私自身も商品開発や雇用対策に関わったりもしますが、それはただのこだわり。

たまたま、いろんな巡り合わせでそういった方々や団体とも関わるようになったので、大切にしているだけ。

食えない時期に西成のあいりん地区(まあ関西では危ない地域)でバイトしてて、現場で一緒になったサヨ系兄ちゃんとまずい飯(小蝿のたくさん浮いた100円ラーメン)食ったりはしましたが(笑)。色々レクチャー受けて裏側の面白い話も聞きました。

ですが、学生運動家とかはどうも青臭くって嫌いです。

確かに私も、一部は障害者の雇用問題とか映像制作に関わることもあります。

兄も講師(インターネットやデータベースについて)レクチャーに立ったりしていますが、それは単に自分達に出来ることをコツコツとやろうとしているだけであって、何かの会合とかデモとか活動や署名には一切参加しないでしょう(笑)。

何かのイデオロギーのために誰かを叩く趣味はありません。

社会は多様な価値観で出来上がっています。それぞれが思惑も立場も環境も違う。だから導き出される解答もそれぞれに異なる筈です。

少なくとも私は「現時点では」、共産主義や社会主義で末長く幸せに暮らしましたとか「財産や資産が全員に等しく分担されています」「働く人の権利が何よりも優先されています」という地域とかコミュニティ、国家の例がないのでまったく信用していません。

かといって資本主義万歳でもアメリカ大好きでもない。

大切なのはイデオロギーとか思想ではないから......。

それを用いる「人間」の側の問題です。

権力とはいわば、麻薬なんですよ(笑)。それはどの国でも同じ。

一極集中型にすればどんな国でも腐敗や癒着を生みます。我が子とか一族で利権や権力を「ずっと握って裕福に暮らしたい」との歪みも生みます。

政党の幹部とか党首とか役人とか政治家、国家主席が「世襲制」とか「私腹を肥やす」状態になれば、そりゃ共産主義でも社会主義でもないでしょう(笑)。それはただの独裁。どんなイデオロギーや思想だろうと関係ありません。


※余談ですが、私は社民党(旧社会党)が大嫌いです。古くからのウチの読者なら知っているでしょう。このホームページを立ち上げた直後に、ひとりごとのコーナーに阪神淡路大震災で後手にまわった(私は現在三ノ宮在住)社会党をやんわり批判する言葉を書きました。

ただのひとりごと。そんなに強烈な批判書いた訳でもない。なのに「バランスのとれたホームページだが、その記述は余計だから削除しなさい!」などと命令口調でメールを送り付けてきた馬鹿がいました。

大きなお世話。私は震災で知人も亡くなってる。それを「社会党の批判に繋がるからホームページには一切書くな」ってことらしいです。

こいつらねぇ......。たぶん同時期に私以外の所にも送り付けていると思いますよ。

文章は非常に手慣れた感じ。それが余計にむかつきました。こういうの、なんて言うか知っていますか?言論統制、言論弾圧と言います。自分達に都合の悪い記述を、全てのホームページ巡回しながら「削除しろ」と迫っていたんだと思いますよ。

で、反対にこういった記述を「ずっと」載せるようになった。

ウチに届いたメールは「全て」残されています。システム障害とかパソコンが壊れても大丈夫なように複数のバックアップとってます。10年前のものでも同じ。いつでも公開できますよ。


朝日も好きではないですが、この本だけは面白い。お勧めです。若い皆さんは昔の文献とか資料を調べて読んでみると面白いですよ。

それもできれば複数の文献を読んでみてください。当時の人々の不安とか恐れとか悩みとか痛みとか、反対に希望、要望、将来への期待、科学技術の進歩、「心の闇」や社会背景が透けてみえますから。

それがこれからの未来を推測する時にも役に立つのです。

予想図は過去を探ること

国際情勢が変化してきて先行きに不安を持つ人達も増えています。

そういった方々とか若い世代からメールをもらうこともあります。2000年の頃には終末思想が蔓延っていて「世界が滅びる前に催眠術を覚えなければ!」などと、笑うに笑えないメールを送り付け練習会にやってきて、電波振りまいた方もいましたが(笑)。

残念ですが、今はもう「戦後」ではありません。

これも会員ページや以前のひとりごとで触れましたが、いまはもう新たな世界再編に向けての前哨戦のまっただ中です。世界中がその波に飲まれようとしている。

だからこそ、こういった書籍とか過去のデーターや情報が重要になってくるのです。

戦争前夜というか、戦前、戦中、戦後にマスコミを通じ「どういった報道がなされたか?」一般民衆や社会が「何を恐れ、何を求めたか?」を知ることが予想の鍵となるのです。

若い人は嫌がるかも知れませんが、図書館に行ったり古い書籍などで探ってみることはとても重要です。そこに過去からの積み重ね、今は知ったり実験したりできない真実とか重要な情報(今風に言えばソース)も含まれているからです。

人々が歴史を学ぶのはそこに真実があるから。

同じ過ちを繰り返さない為に、または戦いを避けたり何らかの「手」を打つ為にも過去を学ぶ必要があるのです。

どうしても逆らえない社会情勢とか国際情勢もある。その時、世論がどう動き当時の世界とか国家、政治とか国民が何を望んだか、当時には「どういった価値観が」標準だったのかを知る必要があります。

政党とか政治家とか、何かを選んだり決めたりしないといけない時もあります。

未来とか国の行く末とか、自分の将来に迷う時も昔の文献とか資料を漁ってみてください。そこから何か「良いヒント」が得られるかも知れないですよ?

必ず「複数を」読むこと

朝日新聞や毎日新聞(当時はこの二社が最大手です)のみを読んで納得してしまわないように(笑)。必ず複数の新聞や著書を読んでください。情報誌とか週刊誌でもOKです。

くだらない流行歌とか、お色気系雑誌でも構わない。

読売新聞などが急速に大きくなってきたのはこの後ですね。

今で言う「キラーコンテンツ」(顧客を取り込む為に重要となる人気のある情報)としてプロ野球(読売巨人軍)を利用し、娯楽やスポーツという新しい分野を開拓して徐々に大きくなった新聞社もある。

マスメディアにも変遷があるのです。

できればアメリカ側の書籍や情報、ソヴィエト側の歴史や背景、日本で「発禁扱いになった本」なども読んでみると面白いですね。

私はこの本だけではなく、他にも参考資料として持っている本もありますよ。特に心理学の話とか実験に関しては1970年代(実際には1940-1960年にかけての基礎研究)のものには重要なものがあります。

皮肉なことに薬学とか心理学(催眠も含む)は戦争中に原型が出来たものも多いのです。いわゆる国家プロジェクトとしてのプロパガンダ(心理戦)や兵士の恐怖心を払拭するために用いられた(覚せい剤やヒロポン、酔い止め薬)り、開発されたものも多いからです。

ただ、このホームページで全部を紹介はしていません。

危険なものとか誤解や錯覚を生みやすいものもありますからね(笑)。

それに載せた途端に資料の価格が高騰したり、載せた途端に一部の物まねサイトがまた「自分が発見した」かのように振る舞ったり、パクられるのは困りますから(笑)。

この本も全文をスキャンして載せてあげたい所なんですけどね。残念ながらそれは出来ません。著作権とか版権の問題がありますから。

興味のある方は古本屋を当たるか、国会図書館に行くか、当時の新聞(朝日新聞は縮小版がネットで閲覧できます)を片っ端当たってみてください。

年号(この本は1971年の新聞に掲載された内容から作ったそうです)がわかれば検索は可能です。かなり手間はかかりますが、手間をかけただけの価値はありますよ。

「能力開発セミナー」なんてのは、この本(40年前の記述)にも存在します(笑)。

本当の意味での自己改革とか勉強を行いたい人は、誰かの受け売りとかホームページに書かれている売り言葉を信用などせずに自分で検証して探してみましょう。

その上で実体験に根差す「何か?」を持つ方から習えば、また違った技術とか発展が得られると思います。複数のソースを得てそこから勉強しましょう。

2006年05月07日初稿

2006年12月12日改定

                谷口信行

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